【5/8】備え① 夫婦それぞれの遺言
最も基本的な備えは、遺言(自分の死後、財産を誰にどう渡すかを書き残す文書)です。
遺言があれば、原則として、遺言の内容が優先されます。
子どものいないご夫婦にとって、ここは大切な点です。
兄弟姉妹には、遺留分(法律で保障された最低限の取り分)がありません(民法1042条)。
そのため、「全財産を配偶者に」という内容の遺言が、機能しやすいといえます。
ただし、ご両親が存命の場合は、ご両親に遺留分があります。
ここは個別の確認が必要です。
遺言の主な方式を比べます。
【自筆証書遺言】
自分で書く遺言です。費用は抑えられます。
一方、形式の不備で無効になるおそれがあります。
通常は、亡くなった後に検認(家庭裁判所での確認手続き)が必要です。
【公正証書遺言】
公証人(法律の専門家)が作成します。
形式の不備が起きにくく、検認が不要です。
一方、費用や、証人2人の手配が必要です。
【自筆証書遺言の保管制度】
法務局が遺言書を保管する制度です(2020年7月開始)。
この制度を使えば、検認は不要です。
どれが良いかは、状況によって分かれます。
【注意】
夫婦が1通の書面に連名で書く遺言(共同遺言)は、無効です(民法975条)。
遺言は、ご夫婦それぞれが別々に作成します。
【もう一つの注意】
遺言を渡す相手が、先に亡くなってしまった場合の備えも大切です。
「配偶者に全部」と書いても、その配偶者が先に亡くなっていたら、遺言のその部分は効力を生じない扱いになることがあります(民法994条1項など)。
万が一に備え、「次は誰に渡すか」を書き添える方法(予備的遺言)があります。
参考として、「相続させる」旨の遺言と先に亡くなった場合の判例(最高裁平成23年2月22日判決)があります。
詳細は個別にご相談ください。
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